Japanese

SATS in Japanese(dance with dono) Translation thanks to Michiko Kuro
SATSは、物や事柄や出来事を言葉で説明し、動物達が充分理解し対処できる、異種間の2方向コミュニケーションを構築します。

SATSにおけるブリッジ

bridge / 2007-10-17 11:42:19

SATSはSyn Alia Training Systemシナリア・トレーニング・システムを表わします。

SATSは独自の考え方/哲学に基づいた、すべての動物と人々のための統合トレーニング方法で、そこにはいくつかの基本要素が含まれます。。

SATSの考え方/哲学では、全ての動物は意識的な思考が可能と考え、人と動物がひとつの意志伝達方法(言語)と文化(共通の認識)を共有して、一緒に作業することを学べるという考え方です。

この共通の文化と意志伝達方法を創りあげるために、様々なツール(すなわち要素)を使用します。
  
ブリッジ、ターゲット、命名、語彙、タッチ、リズム、ロジック、条件付けおよび感情の管理などが、そのツールとしてあげられます。

ここでは、様々なツールの中のブリッジ(インターミディエイトブリッジ、及び、ターミナルブリッジ)に注目し、特に、インターミディエイトブリッジの適用について考えてみたいと思います。

[ブリッジとは?]

ブリッジは、一次強化子(一般的には食べ物を使う)と同時に発生することにより、二次強化子として条件付けされた合図です。これは、一次強化子と同時に発生して、初めて条件付けされるもので、それまでは、動物にとって何の意味も持たない、環境の中に存在する偶発的な音に過ぎません。

ですから、ブリッジを意味のある合図として確立する為には、手順を追ってトレーニングすることが重要です。

[2つのブリッジ]

 1・インターミッドブリッジ  (IB)          
     これは、動物に、そのままの動作を継続すると
     終了ブリッジに近付いていることを伝える合図です。

 2・ターミナルブリッジ    (TB)          
     これは、動物に、要求されたこと/動作を
     無事やり遂げたことを伝える合図です。

[ブリッジの教え方]

ブリッジを最初に教えることにより、その後のトレーニングの速度を格段に高くすることができます。ブリッジは、動物が求められている行動に近付いているよと励まし、その行動をを達成したと明確に伝えることができます。

ブリッジを教えるには、3ステップの手順が必要ですが、その全行程を終えるのには、7種類の練習を必要とします。

「X(エクス)」の音は、ブリッジとして、有効に使うことのできる音です。その理由については、後ほどお話します。

 1・ステップ1   ターミナルブリッジ(TB)
     「X」と、はっきり、短く言いながら、オヤツを差し出す。
     動物が実際にオヤツを食べる時に、もう一度「X」と言う。  
     これを、あと2回繰返す。(全部で3回になる)
     これが、ターミナルブリッジである。
     ターミナルブリッジは、動物がハンドラ−/トレーナーの
     要求を満たしたことを、明確に動物に知らせる為に使う。

 2・ステップ2   インターメッドブリッジ(IB)
     手にオヤツを持ち、それを背中に隠したまま「X」と言う。
     「X」に少しでも反応を見ることができたら、
     素早くxxxx…と言い始め、
     動物が、オヤツをえられるのではないかと近付いてきたら、
     それに連れて、xxxxをより早く、より大きな声で言う。
     また、後ろに隠した手を前にまわして、
     動物がその手のオヤツに到達したら、
     強く、短い「X」と共に、動物にオヤツを与える。
 
     この段階で、2種類のブリッジが存在することになる。
     強く短い音の「X」ターミナルブリッジは、成功を告げ、
     オヤツが出てくる合図となる。
     ソフトな一連のxxxxノは徐々に高揚して、強く短い「X」の
     ターミナルブリッジで最高潮に達する。
     これがインターミッドブリッジで、
     あなたは今、成功への途中にいるということを動物に告げる。
      
 3・ステップ3   チェック(必要であれば行う)
     次へ進む前に、動物がブリッジを理解しているかどうかを
     チェックします。

     動物がハンドラーの方を見なくなるまで待ち
     (友人に頼んで軽く気を逸らせてもらいのもよい。)
     「X」と言います。
     すぐにこちらを向いたら、ステップ2を繰返します。

    もし、このチェックで、動物が「X」に反応しない場合は、
    ステップ1からやり直します。

[ブリッジの選び方]

ブリッジとして、笛、クリッカー、フラッシュライト、視符(親指をあげる)や触符や声符等を使うことができます。自分の好みの物を使うことができますが、ブリッジとして必要な要素を兼ね備えているかどうかに注意してください。

[良いブリッジとしての必要要素]

第一に、動物がそれを感知できること。耳の聞こえない個体には、音によるものでは無く、触符や視符を使う必要があります。しかし、一般的なトレーナーには、音によるブリッジが良いでしょう。視符は、障害物に邪魔されることもあり、触符の場合は、トレーナーが、動物のすぐそばにいる必要があるのに対し、音は四方八方、遠くまで伝わります。

ブリッジの音は、日常会話であまり使われることのない、短く、鋭く、堅い、一音の言葉が良いでしょう。この言葉を、動物が要求された行動をとったらすぐに発する必要があります。これらの要素を兼ね備えていれば、ブリッジとして有効な働きを期待できます。これらの要素が欠けていると、ブリッジとしての効果や効率が。余り良くないこともあり得ます。

ブリッジの例   xxxxxxxX!(エクセクセクセク・・・エクス!)
         kikikikikiKI!(キキキキキキ・・・・キィ!)
         dudududuDO!(ドゥドゥドゥドゥ・・・ドゥ!)
         guguguguGU!(グググググ・・・・・グゥ!)

  音として、柔らかい音はさけた方が良い。
          lalalalaLA!(ララララ・・・ラッ!)
          yesyesyesYES!(イエスエスエス・・イエスッ!)
          sisisisisiSI!(スィスィスィ・・・スィッ!)
          mmmmmM!(ムムムム・・・ムゥッ!)

[ブリッジを条件づけとは?]

外国語を、自分のまわりにいる人が話すのを聞き取るだけで覚えてゆくことの難しさを考えてみましょう。

環境に存在する多くの事柄のなかから、誰かの発した一つの外国語の単語が何を指しているのかを特定するのは、時間のかかる作業です。もし、誰かがそばにいて、どの言葉がどれを示しているかを指し示してくれれば、その効率はずっと良い。

ブリッジを条件付けることは、動物に、この合図(ブリッジ)が、どのくらい彼等にとって重要なことかを教えることです。

Copyright 2006 Kayce Cover
訳 クロヤナギミチコ

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SATSにおけるターゲット

target / 2007-10-10 19:12:14

SATSはSyn Alia・トレーニング・システムを表わします。

SATSは独自の考え方/哲学に基づいた、すべての動物と人々のための統合トレーニング方法で、そこにはいくつかの要素が含まれます。

SATSの考え方/哲学では、全ての動物は意識的な思考が可能と考え、人と動物がひとつの意志伝達方法(言語)と文化(共通の認識)を持って、一緒に作業することを学べる考えます。

この共通の文化と意志伝達方法を創りあげるために、SATSでは、様々なツール(すなわち要素)を使用します。

ブリッジ、ターゲット、命名、語彙、タッチ、リズム、ロジック、条件付けおよび感情の管理などが、そのツールとしてあげられます。

ここでは、その要素の中から「ターゲット」を取り上げ、その使い方を考えると共に、「タッチ」により、動物に自分の身体の部分部分を意識し、その部分をターゲットすることを教える方法について解説します。

[ターゲットとは]

ターゲットは、動物に、動物のいる位置、あるいは、動物の身体の部分の位置がどこかを正確に伝えるための目標点です。

これは、求められるターゲット/目標点に接触した瞬間をブリッジにより合図することで教えることができます。(ブリッジとは、動物が何か求められている行動をしたその瞬間を動物に教える合図です)

ブリッジとターゲットは、SATSの最も重要な構成要素であるブリッジ&ターゲットコミュニケーションシステムの、基本要素です。

[4種類のターゲット]

  1・ 2本指ターゲット(T)

     鋭く、派手な動きで差し出した2本の指がターゲットです。
     動物がちょっとでも触った、その瞬間にブリッジを与えます。
     (触った状態の維持は、後で教えます。)
     ブリッジは、動物がうまくできたので、御褒美をもらえる
     可能性があるということを知らせる合図です。
     衝撃音である「X」を使います。

  2・ ターゲットポール(P)

     指先の延長として使います。
     棒状の物を使って、2本指ターゲットでは届かない位置が
     目標点の時に使います。
     鉛筆の頭側や、お箸、杖等、棒状の物なら何でも良く、
     長さも種類も、様々なものを使うことができます。
     動物がさわる端の部分に、柔らかで気分よくさわることが
     できるようなパッドをつけたり、
     その部分を視覚的にも分りやすくするように
     色を変えたりします。

  3・ ターゲットステーション(S)・マーク(M)

     普通は平らな皿状の物を垂直面に吊り下げるなりして
     設置するか、床や地面に置いて、動物に目標として触るべき
     場所を教えるのに使います。
     トレーナーから遠く離れた場所での作業にこのターゲットを
     使う事で、動物は、トレーナーから、
     より独立した作業を学ぶことができます。

  4・ 視覚ターゲット(V)

     これは、動物が身体を動かさないで、
     じっと見つめるターゲット/目標点です。
     これは、後に、コマンドなどに置き換えます。

[ターゲットの教え方]

手順に従って教えることが重要です。この課程を経ることにより、ターゲットの意味を動物に教えることができます。3つのステップがあります。

  1・ステップ1
      「ここ(here)」と言いながら、
      鋭い、派手な動きで、
      2本指ターゲットを動物の鼻先に差し出します。
      鼻先のかなり近くに差し出すことで、
      動物はちょっと動けば、そのつもりでなくても
      この2本指ターゲットに鼻先が触ります。
      触った瞬間にブリッジを言います。

  2・ステップ2
      ステップ1のように「ここ(here)」と言いながら、
      指先を動物の鼻先で、10センチ程右方向へ、
      鋭い、派手な動きで動かします。
      触った瞬間にブリッジ。

  3・ステップ3
      ステップ1のように「ここ(here)」と言いながら、
      指先を動物の鼻先で、20センチ程左方向へ、
      鋭い、派手な動きで動かします。
      触った瞬間にブリッジ。

  4・
      ここで一旦休憩し、数分間静にし、
      動物に、今勉強したことを考える時間を与えます。
   ターゲット練習は、何度も繰返してはいけません。

[ターゲットを選ぶ]

ほとんど全ての物をターゲットになります。その中で、一番重要なターゲットは、2本指ターゲット(T)です。このターゲットはトレーナーがいつも持っているもので、しかも、動物を呼び寄せるのに使う事ができます。

この2本指ターゲットは、他のターゲットポール(P)やターゲットステーション(S)よりも、優先順位の高いターゲットです。トレーナーにとっては、何かを持ち歩く必要も無く、どこかへ置き忘れる事も無い、使いやすいターゲットです。

とはいえ、時には腕の長さ以上が必要な場合があります。

例えば、ウマの前に立って、ウマにお尻を右に向かって動かすようにさせるのには、指では届かないので、ターゲットポール(P)を使う必要があります。

動物の後ろ足をチェックする時などに、飼育小屋やフィールドなどのどこか特別の場所に立たせる必要があれば、ターゲットステーション(S)が使えます。複数の動物がいる場合、1頭をどこかへ動かしたい時などにも、このターゲットステーションヘ移動するように指示する事ができるわけです。

[良いターゲットとなる条件]

ターゲットの条件として、まず、ターゲットは動物に見えて、触る事ができること、があります。(但し、これは、視覚ターゲット(V)以外の場合です。目の見えない動物の場合は、音や触って誘導する必要があります。)

ターゲットは、耐久性があって安全な材料でできていて、洗ったり消毒しやすいものを使います。人や動物をつっついても大丈夫なように、(時としてぶつかったりしますので)先端やハンドルのパッドは、尖ったものや重いものや堅いものをさけましょう。

[ターゲットの例]

犬やウマに使うのには、乗馬用鞭にゴムのハンドルがあり先端にフラップのついたものなど良いでしょう。

もっと大きい、ラクダやゾウやアザラシ、セイウチ、イルカなどと接近した作業をする時には、帚の柄の先にパッドをつけて持ち手を工夫して使う事もできます。もうちょっと距離を必要とする作業では、竹の棒の先にボールや、スタイロフォームをつけたりして使う事もあります。

床の上に置くものとしては、小さなマットやコンピューターのマウスパッド、テープやコースター、あるいは塩ビ性の何かを使ったりします。

吊る下げて使うターゲットとしては、プラスチック、紙、あるいはゴム性のお皿やディスク状のものや、何かの蓋などを、ヒモで吊る下げる事ができるように、端っこに穴を開けて使います。

[ターゲットの条件付け]

ターゲットを使用する前に、条件付けをする事は大変に重要です。

たった15秒で、動物は、ブリッジを獲得するには何をしたら良いのかを、明確に理解できるようになるのです。この15秒の短い時間に、大変多くのことを動物に伝える事ができるのです。

動物は、ハンドラーが「ここ here 」といって差し出した2本指に触ると、ブリッジが出てくる事を覚えます。動物は、(まず最初の段階では)自分の鼻で触る事、そしてターゲットとなる指先に触る事を覚えるのです。

ここで、動物は、2つの指示(「ここ here!」という言葉の指示と、指が差し出されるという視覚的な指示)で、自分の身体の決められら部分で、ハンドラーの示す場所に触る事を覚え、その為には、身体の一部分や、時には体全体を動かして良いのだという事を覚える事になります。

この練習のあとで動物を休ませる事で、動物は、今勉強した事を自分の中で反芻する時間を与える事ができるのです。
(セミナーなどでは、時間が限られている為に、そのまま次の練習に入る事もあります。)

Copyright 2006 Kayce Cover
訳 クロヤナギミチコ